人口推計とは

 人口は、地域の現状や将来を映し出す最も基本的な統計データです。人口の将来にわたるシミュレーションができれば、人口安定化に必要な定住増加人数が分かります。そのために必要な所得創出額も割り出すことができ、将来の地域経済循環のシミュレーションを具体的な目標数値を掲げて展開できます。また、将来人口を推計することで、将来の介護人数・介護費用等の介護シミュレーションも可能となります。
 こうした人口・介護・経済の将来像と連動して、次世代の拠点やネットワークの構想を具体的に描くことができるのです。
 まずは、人口分析・人口推計を実施して、持続可能な地域社会の将来像を皆で共有し、確かな歩みを始めてください。


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持続可能な地域づくりの基本的な流れ 人口推計を利用した地域づくりの基本的な流れをご紹介します。
人口推計でできること 人口推計をするとどのような項目が把握可能となるのかご紹介します。
地元関係図とは 現状の地域内の団体や人材の配置、お金の流れを明らかにして、分野を超えた地域内の体制を見える化しましょう。
人口推計の応用編
~介護分析~
将来人口推計結果と介護データを組み合わせると、介護の現状分析と将来的な介護費用の予測が可能となります。
人口推計の応用編
~地域経済循環~
人口を取り戻すには、所得の取り戻しも重要です。
その第一歩は、地域内のお金の流れをしっかり把握することです。
地域づくりをお手伝いします 一般社団法人 持続可能な地域社会総合研究所では、地域づくりの支援業務も実施しています。

持続可能な地域づくりの基本的な流れ




1.人口データから地域の現状を把握

 まずは、地域人口にかかわる診断が不可欠です。市町村単位はもちろんですが、更に小さな地域単位で見ることも非常に重要です。小学校区程度の地域毎に、どこで若年世代や赤ちゃんが増えている、あるいは減っているか、これを把握することで地域に共通する要因をあぶりだし、地域の学び合いにも活用できます。
また、人口分析と併せて「地元関係図」も作成されると地域分析にはより効果的です。
※地元関係図の解説はこちら


2.このままの人口推移が続いた場合の将来人口推計

 このままの人口動態が今後も続いた場合、将来的に人口がどう推移していくのか、客観的に見れる数値としてしっかり算出してください。


3.人口安定化シナリオを作る

 定住増加を中心に、出生率向上・転出率抑制も組み合わせた人口安定化シナリオを作ってください。3つの人口安定要素をうまく組み合わせることで、単独では困難な人口安定化達成ができるとともに、そのために必要な目標水準も手に届きやすいものにしていくことが可能となります。


4.人口分析・推計結果(上記1~3)のデータを行政と住民で共有

 当然ですが、持続可能な地域づくりの構築には、住民自らが本気にならないといけません。分析結果は行政だけでなく住民にも広く、分かりやすく理解してもらう必要があります。
具体例:住民向け報告会の実施


5.地域住民・行政が一体となり、「これならできる」という定住目標を設定

 地元のことは、そこで暮らす住民が一番知っているはずです。地域毎の実情・特徴・可能性に応じた「これならできる」という定住目標を地域住民・行政が一体となって具体的な目標を定めてください。
小学校区程度の地域単位で実施することが必須です。
この後「3.」で作成した安定化シナリオを見直してみてください。
具体例:ワークショップの実施、地元関係図の作成


6.計画を定期的に見直し、他の地域と学び合う

 計画は定期的に見直すとともに、成果をあげている(あげていない)地域に共通する要因を把握し、他の地域から学び合うことで、より効果的に地域づくりが進めることができます。
具体例:全地区での活動成果報告会等の実施

人口推計でできること

 本サイトで用いている人口推計の手法で、必要となるデータは現在と5年前の男女5歳刻み人口だけです。市町村単位だけでなく、小学校区や集落単位等の小地域でも実施でき、推計単位で以下の項目などを把握することができます。
①現状の男女年齢階級別の人口増減
②現状の小・中学生増減
③現状の年齢構成
④現状の出生率
⑤将来(半世紀先まで)の人口数の推移
⑥将来(半世紀先まで)の小・中学生数の推移
⑦地域人口安定化のために必要な定住増加・出生率・流出率抑制などの「処方箋」が算出できます。

地元関係図とは

 地元関係図とは、地域にある住民団体や商工、行政機関などの関係性を一枚紙の上に書き出し、5つの分野とコミュニティの階層ごとに整理した、地域の仕組みを表す図であり、人口分析と同様に、地域の現状を把握する手法の一つです。

<地元関係図の例>


<地元関係図の活用>

 地元関係図で地区内の主な団体やその関係性の現状を把握したところで、「地元天気図」を地域の方々とWS形式で作成します。
「地元天気図」は、例えば「定住増加に向けての地域の強み・弱み」のようなテーマを定めて、そのテーマからの視点でみたときの地域の現状を、上図のように天気記号を用いて表す手法です。“高気圧”“低気圧”はそれぞれ強みと弱みを表し、“寒冷前線”は連携がとりたいけどとれず繋がりの弱いことを“温暖前線”はよく連携がとれていることを表します。身近な天気図のように仕上げることで、地域の皆さんで楽しみながら、地域の強みや弱みをテーマに沿って考えてみるための手法です。
 また、「地元天気図」では、現状を表すことが出来たら、そのまま続けて将来の理想的な地域の形も考えるところまでしていただくようにしています。
 現状の把握と将来像を考え、作りながらお互いの考えを共有することに役立ちます。

人口推計の応用編~介護分析~

 高齢化にともなって、介護費用の増大が大きな問題となっています。たとえ、人口が安定化しても、介護費用が増大して自治体財政がパンクしたら地域は立ちゆきません。
将来人口推計結果と介護データを組み合わせると、介護の現状分析と将来的な介護費用の予測が可能となります。地域の「お達者度」をもとに介護費用を分析することは、持続可能な地域づくりには非常に重要です。
より詳細な介護分析のご紹介はこちら

※表示されている結果はサンプルデータを用いてます。
<介護分析結果の例1:介護人口分析>


<介護分析結果の例2:認定者率>


<介護分析結果の例3:平均介護度>


<介護分析結果の例4:1人当たり介護費用>


<介護分析結果の例5:全国平均との差額>


<介護分析結果の例6:地区別分析 認定者等比較>


<介護分析結果の例7:地区別分析 被保険者1人当たりの全国平均との差額比較>

人口推計の応用編~地域経済循環~

 地域人口の安定化には、地域の所得取り戻しが欠かせません。しかし、いままでは、地域の外からいかに稼ぐかというところだけに力点が置かれすぎていたのではないでしょうか。
 地域の中で、一人ひとりが受け取った給料やお店の売上が、その後どのように域内に流れているのか、はたまた域外への流れ出ているのかを確かめていく必要があります。そのうえで、どうすれば域内に循環していくお金を実質的に増やしていけるのかを、現況を確かめることが所得取戻しの第一歩です。
より詳細な経済循環分析のご紹介はこちら


地元で製造しているか、原材料は地元産かにより、大きく地元に落ちるお金が大きく変わってきます。


経済循環調査:消費・流通・生産の3段階の地域内取引を把握するための調査をします。

※表示されている結果はサンプルデータを用いてます。
<経済循環結果の例1:消費(家計調査)>


<経済循環結果の例2:流通(事業体調査)>


<経済循環結果の例3:流通(事業体調査)>


<経済循環結果の例4:再生可能エネルギーシミュレーション>

地域づくりをお手伝いします。

 「一般社団法人 持続可能な地域社会総合研究所」では地域づくりの支援業務も実施しております。
市町村全体だけでなく、小地域(旧市町村や学校区等)毎にも、地域人口の現状をわかりやすく分析し、現行の推移が続いた場合の将来の人口予測だけでなく、地域人口の安定化に向けて必要とされる定住増加人数や出生率向上、若者の流出率抑制などの「処方箋」を具体的に算出します。さらに、ワークショップ開催、地元関係図作成のお手伝い、講演会等も実施しています。

支援メニュー①:小地域(旧市町村や学校区等)毎に人口の現状分析
支援メニュー②:小地域(旧市町村や学校区等)毎に将来人口推計
支援メニュー③:小地域(旧市町村や学校区等)毎に処方箋(人口安定化シナリオ)の提示
支援メニュー④:ワークショップ開催・地元関係図作成のお手伝い
支援メニュー⑤:講演会・報告会の開催
支援メニュー⑥:介護分析・経済循環調査の実施

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